皆さんこんにちは、カラーオンです。
今回は色彩学の第8回目です。今回はPCCSについて詳しく見ていきます。
PCCSは日本色研表色体系とよばれる表色系です。
日本ではファッション、インテリアなどの色彩計画の入門段階でよく使用されている色を区別するためのシステムです。
以前トーンについてご紹介した時に各トーン名をご紹介しました。
その名称はPCCS上で使用されている名称です。一般的なトーンを表現する名称として使われることもありますが、例えば「ダル」という言葉はファッション雑誌などでもあまり使われていませんので、ダルがどのようなトーンであるかはPCCSを知らなければわからないでしょう。
逆にビビッドやペールといったトーンは一般的にも使用されています。また、アイスカラー(アイスストーン)、パステルカラーといった用語はPCCSでは使用されていません。
色相は全部で24色です。
各色相は1~24の番号で表現します。上の図はビビッドトーンの各色相になります。
PCCSではまず基準となる色として心理四原色(赤:2、黄:8、緑:12、青:18)を設定します。もっと赤らしい赤、黄色らしい黄色、緑らしい緑、青らしい青として選出された4色です。
その各色の心理補色4色(14、20、24、6)を選び、全8色が等間隔に色相変化するようにさらに間の4色を選出して12色、さらにその各色の中間色として12色を選出して24色となります。
そうすることで上記のような色相が徐々に変化する色相環が出来上がります。
色は物体と光と眼があって初めて知覚できるますが、眼(視神経)が変われば見える色も変わります。上の色相環が綺麗なグラデーションに見えない人もいます。
24色相の記号は次の通りです。
1:pR (紫みの赤)
2:R (赤)
3:yR (黄みの赤)
4:rO (赤みの橙)
5:O (橙)
6:yO (黄みの橙)
7:rY (赤みの黄)
8:Y (黄)
9:gY (緑みの黄)
10:YG (黄緑)
11:yG (黄みの緑)
12:G (緑)
13:bG (青みの緑)
14:BG (青緑)
15:BG (青緑)
16:gB (緑みの青)
17:B (青)
18:B (青)
19:pB (紫みの青)
20:V (バイオレット)
21:bP (青みの紫)
22:P (紫)
23:rP (赤みの紫)
24:RP (赤紫)
PCCSの明度は無彩色で最も白い「白」の明度を9.5とし、最も黒い「黒」を1.5として、0.5刻みに17段階の明度を設定しています。
彩度はビビッドトーンを9s(sは彩度:Saturation)として、無彩色を0sとし、その間を9段階で表示します。
例えば、12:G-4.5-7sといった具合に色相-明度-彩度の順番で表示します。
パソコンやテレビのディスプレイでは表色系で指定する色は正確に表現できません。同じ12:G-4.5-7sでもディスプレイの輝度によって異なる色になります。
正確なPCCSの色を把握するためには日本色彩研究所より発行されている配色カード(色見本)を使用する必要があります。
ファッション、インテリアなどで色を合わせるときは、照明なども考慮しながら配色カードにおける色選定を行うことになります。
コーディネーターは配色カードを見て、それがどのトーンのどの色相であるかと見分けることができる必要があります。